間接税とは?日本における税金の徴収方法について

日本の税金の基本的な徴収方法には、直接税と間接税があります。直接税についての概要を説明すると、所得税や法人税など税を負担する担税者と納める納税義務者が同一となる方法です。では間接税についての概要を説明すると、税を負担する人と納める人が異なる方法です。代表的なものは消費税・酒税・たばこ税・ガソリン税などで、課税対象となる商品・サービスを購入する担税者は、本体の価格に加えて税金分が上乗せされた代金を支払います。そして納税義務者は、担税者たちから集めた税金をまとめて国や自治体に納めます。

間接税が行われるのは、税負担を水平的公平にするためです。直接税である所得税や住民税は、累進税率が採用されているので所得の額に応じて納める税額が変わります。あまりに所得が低ければ住民税が免除される一方で、所得が高いと稼いでもかなりの割合で税金を納めなければいけません。低所得でも生活ができるようにと採用されている直接税ですが、高額納税者にとっては不公平さが感じられます。

でも直接税であれば、所得の額に関わらず支払うべきときに同程度の負担をしなければならず、公平な徴収ができます。これにより、高額納税者の不満を解消できるのが大きなメリットです。

ただ、こうした間接税でも問題はあります。たとえば消費税では、売上が少ない小規模の事業者については消費税の納税をするのは事務的にも大変だからと、納税が免除される事業者免税点制度や簡易課税制度というものがあります。でも、日常では免税の対象となりそうなお店で商品を買うときにも、買い物客は消費税を含めた代金を支払っています。つまり、買い物客はお店を通じて消費税を国に納めているつもりでも、実際にはお店に全額が残ったり一部だけを納税することになります。これを消費税の「益税」と呼ばれるものです。

この「益税」に関する議論を受けて、2023年より導入が検討されているのがインボイス方式と呼ばれるもので、請求書や納品書をもれなく記録・保存する制度です。インボイス方式が導入されると、これまで仕入税額控除をうけるときには帳簿から売上税額と仕入れ税額を集計していたのが、課税事業者が発行する適格請求書に書かれている消費税を集計するやり方に変わります。インボイス方式では免税事業者からの仕入れについては適格請求書でなければ、仕入税額控除を受けられないので税負担が増えてしまいます。そのため、仕入れをする際には免税事業者は選ばれなくなり、課税事業者からの仕入れが優先されるようになります。そこで免税事業者は課税事業者へと転換を余儀なくされ「益税」が抑制されます。