私たちが納めた税金が何に使われているのか、まず国においては、一般会計支出の内訳を見ればだいたいわかります。まず一番多くのお金が使われているのが社会保障費です。これは年金や医療保険などの給付が主なもので、なんと3割以上を占めています。
社会保障費は年々増加傾向にあり、今後もずっと増えていくのは間違いありません。高齢化が進行していき老人が増えていきますから、年金や医療費も増加するのは当たり前でしょう。次に多いのが、国債費を除けば、地方交付税交付金で、全体の15%くらいを占めています。地方交付税交付金とは、中央政府から地方公共団体に対して配るお金のことに他なりません。この交付税には、各自治体の収入格差を縮小させる機能があるとされています。日本にある自治体には、財政が豊かなところもあればそうでないところも存在しています。交付税を交付することによって、そのバランスを調整できるわけです。
交付されたお金は、基本的に使途を制限されずに各自治体で自由に使うことができるとされています。国の一般会計の支出の半分程度は、この社会保障費と交付税で締められているといっても過言ではありません。道路を作るなどの公共事業が大半を占めているとイメージしている人も多いですが、実際は社会保障と交付税が大部分を占めています。道路やダムなどを造ったりする公共事業はだいたい5~6パーセントくらいを占めるに過ぎません。あとは教育関連や防衛費にも同じくらいのお金が投入されています。それから一般会計では国債費も見逃せないでしょう。これはだいたい4分の1くらいを占めており、これが政府の財政を圧迫しているのではないかとよく問題にされています。
しかし国債が増えても問題ないのだという人もおり、今でもいろいろと議論が続いています。税金の使われ方を考える上では、地方公共団体の支出も考える必要があるでしょう。各都道府県や市町村などでは、日本政府よりもより具体的で我々庶民に密着した形で、様々なものにお金が使われています。例えば、土木工事費や教育費、農林水産業費、商工費、衛生費、警察費などです。これはは各地方においてそれぞれ特色・違いがあることも少なくありません。税金の使い道というのは、私たちが安全で豊かに暮らせるかどうかに非常に大きく関わってくる重要なものです。一人の有権者として、どのようにお金が使われているのかを監視していくのは、とても重要なことと言えるでしょう。