確定申告を税理士に頼まずに自分で行うなら、ミスをしないように細心の注意を払わなければなりません。しかし実際には、どれだけ慎重に行っても間違ってしまう可能性があります。意図せずに脱税してしまうケースもあり、悪質な場合は重加算税の支払いを命じされるかもしれません。そのような事態を避けるため、効率的かつ適正な方法で会計を進めておくことが求められます。
それを遂行するうえで、個人用の会計ソフトの利用は必須といっても過言ではりません。白色申告は会計処理が簡素化されていますが、あまりメリットがないので青色申告を選択したほうが良いでしょう。ただし、その場合は発生主義にもとづく複式簿記で帳簿付けを行う必要があります。複式簿記の原理はそれほど難しくありませんが、会計や簿記の素人にとってはハードルが高いの事実です。そのような人でも会計ソフトを使用すれば、個人のお小遣い帳を付ける感覚で、総勘定元帳や売掛帳などの各種帳簿が完成していきます。
多くの種類が存在しますが、近年の主流になっているのはクラウド式のソフトです。パッケージ型もアップデートがありますが、それよりもスピードが圧倒的に速いです。たとえば、新型コロナウイルスの関連で政府が発表した給付金について、その受給判定を即座に機能に組み込むようなケースもありました。また、税制の変更は毎年のように行われているので、それらにスムーズに対応できます。年末に確定申告の書式が変わっても、スタートの時期までにそれに合った形式で出力が可能になります。
ただし、いくら便利でも会計ソフトに頼りきるのは良くありません。国税庁の確定申告のページは毎年1月の初旬にリニューアルされます。少なくとも、それをチェックして自分に影響のある変更点を理解しておきましょう。その他のアドバイスとしては、売上や経費を翌年に持ち越さないことが挙げられます。もちろん翌月に持ち越さないことも大切ですが、年をまたいでしまうと税額に変化が生じるので大問題です。年末に発生する経費は未払金として計上し、年内の支出に加えておく必要があります。売上に関しても同様であり、売掛金として計上しておくことがポイントです。たとえ入金が2月の予定であっても翌年に持ち越してはいけません。入金や出金とのタイムラグは、個人会計においてネックになりやすいです。個人で会計を続けていくなら、まずはそこをクリアしなければなりません。